Tori Tama Diary ||: (toriたま日記・toritoriワールド 2004~)

モンテッソーリ教育&自然と北欧好きの暮らし。ブログは今年で18年目★旧toritoriワールド

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大三島・今治の生物多様性 その2

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午後からはダルマガエルの保護地区に連れて行ってもらいました。

保護区は平成20年にできたのですが、

今年から地元の方が土地を借りてダルマガエルのための稲作を始めました。

水はけのいい田んぼにできるホシクサもたくさん生育しており、

ここにできるお米はかなり美味しいのではないかと思います。

生物の調査も大切ですが、地元の人に協力してもらって

生物が棲めるような環境を作っていただける事が大切ですよね。

ダルマガエルの保護区からは愛が感じられます!

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その後はチャボイの生えている干潟に行きました。

チャボイはマツバイに似た植物で真水でも海水でも

生育できる植物です。

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チャボイはバイオレメディエーションという分野で注目されており、

汚染土壌中に含まれる有害な重金属を吸収・保持するため

放射性物質の除去に使用できる可能性があり、研究がすすめられています。

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そして、干潟植物と海岸植物のゾーネーション(帯状分布)も

見に行きました!

ここはたった10cmの標高差で植物相が変わっており、

シバナ、ハマサジ、ハママツナ、イソホウキギハマヒルガオなどが

帯状に分布しています。

歩いているとどんどん植物相が変わっていくので驚きます。

これらはわずかな塩分濃度や水質の差で場所が決まっているらしく、

環境の変化に非常に敏感であるといえます。

このあたりの生物・植物はまだまだ調査されていないらしいので

今後の調査に期待です!

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4つ目はイトクズモとシバナが見られる干潟。

写真はシバナの図で、全国各地で絶滅が心配されている種です。

兵庫県では天然記念物に指定され、数株ほどが大切に保護されている

らしいのですが、ここではいくらでも見ることができます。

それだけ環境がいいんでしょうね。

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大三島を出発し、今治に戻ってしまなみヒルズまで行きました。

これはしまなみヒルズの中にある池の様子です。

しまなみヒルズを建設する時に、そこに生育していたハンノキを切らなければ

いけなくなったのですが、植物を保護する立場の方と開発したい立場の方で

ハンノキをどうするか…とかなり議論になったそうです。

最終的には開発を進める代わりに、

しまなみヒルズ内にあるこの池の左側をコンクリートで固めるのをやめて

ハンノキの残る自然な状態にしてもらうことができたそうです。

自然を守る立場と開発する立場の人が対立することは少なくありませんが、

こうして行政と上手く協力していくことも大切だと教えていただきました。

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しまなみヒルズの奥にある「しまなみアースランド(西部丘陵公園)」

という施設にも連れて行ってもらいました。

最近できた施設でshinoさんからも話は聞いていたのですが、実際に行くのは初めて。

ちなみにそこで「今治自然塾」という環境教育プログラムをやっているそうですが、

建物をみただけでは一体どういうことをやっているのか全く分かりませんでした…。

「地球の道」というのが有名らしいのですが、個人的にまだまだ謎の施設です。

今治自然塾についてはコチラ↓

http://www.islands.ne.jp/imabari/kouen/seibukyuuryou/naiyo/

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帰り道にでカスミサンショウウオの保護地区も見ました。

愛媛県にはいろいろな保護区が6つあるそうなのですが

そのうち5つは今治市にあるそうです。

まずは地元の人に身の回りにいる生物のことを知ってもらうことが

大切ですよね。

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帰りの電車の時刻表(大西駅のもの)。

左が松山方面行で右が今治方面行です。

これが田舎クォリティー(笑)

今まで今治に実家がありながら、こんなにも貴重な自然が各地にあるとは知りませんでした。

大三島の鷲ヶ頭山では鳥類の調査などが本格的に行われていないそうなので

もし機会があればいろいろな調査に参加して、今治の自然に貢献したいと思います。

今日は一日、お世話になりました。

本当にありがとうございました!